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爪に火を灯した、どん底の極貧生活


 当然の報いですが、爪に火を灯す節約生活が始まりました。

 食料品は賞味期限ギリギリの見切り品専門激安店でしか買いません。

 野菜売り場のダンボール箱に捨ててあるキャベツの外側の葉っぱは無料でもらえます。

 1尾30円のサンマは何よりのごちそうでした。

 身にまとうのはフリーマーケットで見つけ出した総額300円の掘り出し物。

 歯磨きは、チューブを絞りきったあとハサミで切り開いて内側に残った歯磨きをブラシにこすり付けて完全に使いきっていました。

 しかし、何よりも衝撃的だったのは妻の変ぼうぶりでした。

 私の妻のライフワークはファッションで、こぎれいな身だしなみが信条でした。

 その妻が、生活費を切りつめたあげくにサンプル化粧品をかき集めて使い始めた時には、さしもの私も度肝を抜かれました。

 荒れ放題の素肌を見る度に、自らの所業の罪深さを悔いるのでした。

 妻から離縁状を叩きつけられなかったのが不思議なくらいです。

 こんな無様な姿は他人には見せられません。

 メガバンクの幹部銀行員という私の立場上、万が一会社にバレようものなら大変です。

 まさに、身ぐるみはがされて全裸のままで真冬のシベリアに放り出されたような寒々しい恐怖感でした。

 血も凍るようなあの感覚は一生涯忘れることはないでしょう。


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