「本書は、主にビギナーに向けた手帳の選び方、使い方を説明する本です」
最初に書かれていたこのコメントに、まんまと一本取られてしまいました(笑)。なぜなら、かなり奥が深く、レベルの高い本だったからです。
よく見ると本のタイトルは「意外と誰も教えてくれない手帳の基本」です。確かに「基本」というのは一番大切なことであり、「初歩」という意味ではありません。その意味でこの本は「基本書」に分類されるのでしょうね。
例えば、チャプター1「選び方のポイントを知ろう」とチャプター2「手帳の基本機能を確認しよう」という約80ページをしっかり読み込めば、世の中に出回っている大半の手帳のポイントを押さえることができます。一言で言うと「手帳の原液」です。それくらい密度が高い。
圧巻なのは、手帳を「時間を有効活用し、人生の可能性を拡張するためのツールである」と定義付けて、「結果を出すこと」にフォーカスしている点です。その試みがチャプター4「手帳は人生の可能性を広げる」で展開されていきます。しかも、答えを提示するのではなく、宿題が課されて、自分の場合はどうなのかを考えさせられるというカラクリです。ある意味、読者の力量も試される、鏡のような側面を持った本だったのです。
そして、そのための踏み台がチャプター2に登場する5名(大田正文さん、コボリジュンコさん、佐川博樹さん、北真也さん、坂下仁)だったというわけです。(笑)
もはや手帳術ではなく、人生術の本かもしれない・・・。そんな風に感心してしまいました。