煽られて怖気づいてしまった小心者の私は必死に逃げ道を探しました。
「こんな世の中になるって分かっていたら、遊び呆けてなんかいないで、きちんと貯金すれば良かった。このまま普通に働くだけじゃ、ダメかもしれない・・・」
そんな折、リートで脚光を浴びていた不動産投資法人の株で稼いでいた同僚から、リート関連株式への投資を勧められたのです。
私は銀行員ですので、金融知識については自負がありました。
なぜなら、数百に及ぶ企業へのコンサルティング・財務指導・融資を手がけてきたからです。
某地銀の頭取を始めとして多くの方に資産運用アドバイスをしてきた経験もあります。
だから、「日頃の財務分析や投資分析で鍛え上げたファイナンシャル・リテラシーを活かすべき絶好のタイミングの到来だ!」と思いました。
「あらゆる知識と経験とを総動員すれば、自分にだって一財産築けるはずだ!」と盲信したわけです。
そして、株式投資に関する書籍やセミナーから貪るようにノウハウを吸収し、個別の投資指標を徹底的に分析しながら、勝負に打って出たのでした。
本人としては、万全の体制で臨んだつもりでした。
こうして私の転落人生の幕が開けたのでした。